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相続税

相続税は不動産や株券で納めることができるのか?

相続税を不動産で渡す人形

相続税に関しては金銭で一括納付することが原則です。

ただし、一定の条件を満たせば金銭以外の不動産や株券といった財産で直接納めることも認められています。

金銭以外の財産で相続税を支払うことを「物納」といいます。

物納は、遺産が土地や建物ばかりで、現金がほとんどない場合に利用されます。

あなたの親が不動産を多く所有していて将来的に不動産で相続税を納めようと思っている場合には、物納の知識についてもよく知っておきましょう。

 

相続税を物納するための条件

戸建ての模型へ向ける聴診器

申請すれば誰でも物納できるわけではなく、物納にするための以下の条件があります。

物納するための条件

  1. 現金で納付することが時間をかけても難しい場合(納付困難な金額が上限)
  2. 財産が法律で定められた種類の財産で、定められた順位に従って物納すること
  3. 管理処分不適格財産でないこと
  4. 相続した年の翌年の2月1日~3月15日の間に申請書と手続き関係書類を提出すること

①延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額を限度としていること

②申請財産が定められた種類の財産であり、かつ、定められた順位によっていること

  • 第1順位 不動産、船舶、国債証券、地方債証券、上場株式等
  • 第2順位 非上場株式等
  • 第3順位 動産

上位の順位の財産から物納に充てる必要があります。

③管理処分不適格財産に該当しないものであること

管理処分不適格財産とは、以下の財産が当てはまります。これらの財産は物納できません。

物納できない財産の例

  • 抵当権付の不動産
  • 所有権の帰属について争いがある不動産
  • 境界線が明らかでない土地
  • 隣接する不動産の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の使用ができないと見込まれる不動産
  • 他の土地に囲まれて公道に通じない土地で通行権が明らかでない土地
  • 譲渡制限がある株式
  • 質権その他の担保権の目的となっている株式 など

ただし、次に掲げるような財産は、他に物納に充てるべき適当な財産がない場合に限って物納に充てることができます。

特別な場合に物納が認められている財産

  • 地上権、永小作権若しくは耕作を目的とする賃借権、地役権又は入会権が設定されている土地
  • 法令の規定に違反して建築された建物及びその敷地
  • 土地区画整理法による土地区画整理事業等の施行に係る土地につき仮換地又は一時利用地の指定がされていない土地
  • 現に納税義務者の居住の用又は事業の用に供されている建物や土地
  • 劇場、工場、浴場その他の維持又は管理に特殊技能を要する建物や土地 など

④物納申請書及び物納手続関係書類を期限までに提出すること

物納の申請期限をすぎると物納はできないので注意が必要です。相続した翌年の2月1日~3月15日までとなっていて、いわゆる確定申告期限と重なります。

申請関係の書類を集めるのには時間がかかるので生前から物納の対策を取っておくこともよくあります。

 

物納は難しいと聞いたけれど?

相続税の物納について考える人形

相続税の物納については2006年以降に厳格化しており、実際に物納するのはかなり難しくなっています。

平成10年度では、物納の申請件数は7076件あり、そのうち認められたのが4546件でしたが、平成26年には、物納申請件数120件、で認められたのが88件となっています。

原因としては、

  • 金銭で納めるのが困難という条件が厳しくなった
  • 物件の測量、隣地確認など申請書に関する書類の準備が間に合わない
  • 申請書を揃えるのがかなり大変
  • 土地の売却や不動産を担保にした融資で相続税を支払った方が得をするケースが多い

といったことが挙げられます。

相続税の支払いについては物納すればいいという感覚でいると、あとあと困ることになります。

物納については、相続税がどうしても支払いない人のための最終手段という認識を持ちましょう。

 

物納のための手続き

相続税の申告をする税務署

相続税を物納するための手続き方法は以下の通りです。

物納手続関係書類の提出期限

相続税の納税期限までに物納申請書と関係書類を管轄の税務署長に提出します。

提出が必要な関係書類とは、不動産であれば登記簿謄本、公図、地積測量図、境界線に関する確認書、土地の維持管理に要する費用の明細書等です。

もし、申請期限までに物納関係書類を提出するのが難しい場合は物納関係書類提出期限延長届出書を提出することにより、一回につき3カ月を限度として、最長で1年まで物納関係書類の提出期限を延長できます。

物納の許可までの審査期間

物納申請書を提出すると、物納申請期限から3か月以内に許可又は却下されます。

申請財産の状況によっては、許可又は却下までの期間を最長で9か月まで延長する場合があります。

物納申請が却下された場合、却下された財産に代えて1回に限り、他の財産による物納の再申請を行うことができます。

延納により金銭で納付することが難しいという事由がないことを理由として物納申請の却下があった場合には、物納から延納へ変更することができます。

また、汚染物質除去の条件付きで許可を受け、その後に許可財産に土壌汚染などが判明した場合には、汚染の除去などの措置を求められることとなります。

なお、物納許可後5年以内に上記の措置を求められ、その措置ができない場合には、物納許可が取り消されることがありますのでご注意ください。

 

物納財産の価額

物納財産を国が収納するときの価額は、原則として相続税の課税価格計算の基礎となったその財産の価額になります。

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた相続財産を物納する場合の収納価額は、特例適用後の価額となります。

特例適用後は価額が下がってしまいますので注意が必要です。

 

利子税の納付

納期限又は納付すべき日の翌日から、物納財産を納付するまでの期間に応じて、利子税を納付しなければなりません。完納するまで利子税がかかります。

物納申請が却下された場合や申請を取り下げた場合も、却下されたその日や取り下げたその日までの利子税がかかります。

ただし、審査期間などの税務署の手続きに要する期間については利子税は免除されます。

 

まとめ

相続税を納めるための現金がない場合、物納にするか、不動産などを売却して現金を得る方法がありますが、どちらのほうがメリットが出るかは財産によって異なります。

自分で判断するのが難しい場合は、専門家に相談しましょう。

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司法書士・行政書士 成川修一

司法書士事務所ローライト湘南 代表 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了 研究所研究員、プロギタリストを経て、神奈川県藤沢市で司法書士・行政書士事務所を運営。 相続、不動産、企業法務が専門分野

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