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相続不動産に知らない人の仮登記がついていた時の対処法

相続手続きを長いこと放置していた不動産の場合仮登記がついているケースがあります。

こうした場合には、単純な相続による名義変更では問題が解決しません。

相続不動産に仮登記がついていた時にどうしたらよいのか解説いたします。

 

相続不動産に知らない人の仮登記がついていた時の対処法

相続不動産に仮登記の記載があった場合には、2つのケースに分けて考えます。

仮登記には以下の2つのパターンがあります。

  1. すでに仮登記の人に権利が移転しているが書類が足りなかったので仮登記になっている
  2. まだ仮登記の人に権利が移転していないが、登記の予約をしている

1のケースでは、不動産は相続財産となりません。すでに亡くなった人の持ち物ではないからです。

登記簿の中に「所有権移転仮登記」などの記載がある場合がこのケースになります

ですが相続人は仮登記の人に登記をする義務を引き継ぎますので

仮登記のところに名前が載っている人にまずは連絡を取って、仮登記の本登記を行うようにしてください。

 

2のケースでは、不動産が相続財産となります。

登記簿の中に「条件付所有権移転仮登記」や「所有権移転請求権仮登記」などが書いてある場合はこのケースになります。

この場合は、仮登記の名義人に連絡を取って仮登記を消す作業が必要になります。

よくあるのは、農地に将来農地法の許可を取ることを条件として「条件付所有権移転仮登記」を設定するケースです。

 

ただし、仮登記の設定から時間が経っていると仮登記の名義人が亡くなって相続が発生し、

多数の相続人と連絡を取らなければならなくなったりと非常に大変な手続きになってしまいます。

 

相続不動産の仮登記の抹消の方法

相続不動産に仮登記があると、不動産を売却処分することもできませんし、

権利関係が不安定になり将来の土地活用にも大きな影響を及ぼします。

ですので仮登記の抹消をなるべく早くすることになります。

仮登記の抹消方法としては、以下の3つの方法が主に使われます。

  • 仮登記の名義人に依頼して仮登記を抹消してもらう
  • 仮登記の名義人に承諾書(印鑑証明書付き)をもらって所有者側で抹消手続きをする
  • 時効消滅を主張して登記抹消の裁判をおこなう

仮登記の名義人に連絡がつき、承諾がもらえる場合には、手続きはスムーズに進みます。

承諾書と印鑑証明書をもらって所有者側で手続きをするのが一番確実です。

仮登記の名義人に連絡がつかない場合には、裁判所へ仮登記を抹消するための裁判を起こすことになります。

時効などで仮登記が消滅していることが多いですが、すでに土地の売買の代金を受け取っているなどのケースでは

権利の濫用として時効消滅が認められない場合もあるので注意が必要です。

上記のように相手方の連絡先が分からない場合は、非常に煩雑な手続きが必要になります。

裁判の場合は、実際に私が取り扱ったケースでも、3か月~1年ほどかかっていますので

手続きが長期間に及ぶと思った方がいいですね。

 

まとめ

相続不動産した不動産に仮登記がついている場合には、

基本的には仮登記を処理しなければなりません。

ただし、仮登記の処分が簡単にいかないケースも多々あります。

仮登記の取り扱いに迷ったらぜひご相談ください。

 

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司法書士・行政書士 成川修一

司法書士事務所ローライト湘南 代表 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了 研究所研究員、プロギタリストを経て、神奈川県藤沢市で司法書士・行政書士事務所を運営。 相続、不動産、企業法務が専門分野

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