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民事信託 遺言

将来の財産の相続先を指定できる後継ぎ遺贈型受益者連続信託とは?

相続財産について考える老人「自分の財産の承継先を複数の世代に渡って決めておきたい!」

と思っていても、遺言書では複数先の相続まで決めることはできません。

しかし、後継ぎ遺贈型の受益者連続信託を利用すれば、第二、第三の継承先を指定することが可能になります。

最新の相続トラブル対策である後継ぎ遺贈型受益者連続信託を知っておきましょう。

 

後継ぎ遺贈型受益者連続信託とは?

4世代の家系図

後継ぎ遺贈型受益者連続信託とは、あなたの代の相続だけでなく、相続財産を受け取った人が亡くなったときの相続に関しても財産の行き先を指定できる民事信託の一種です。

遺言書は、「自分の財産を誰に相続させるか」の意思を残すものです。

あなたの財産を誰かに相続したら、その財産を次に誰に相続させるかは、相続した本人が遺言書を残さねばなりません。

あなたが遺言書に書いて効力を持たせることができるのは、一回目の相続についてのみです。

次のようなことは遺言書ではできません。

  • 自分の死後はいったんは妻に財産を相続させるが、妻の死後は、障害を持って体の不自由な次男に相続させたい。
  • 事業の継承先はいったん弟にするが、弟の死後は自分の長男に事業を継がせたい。

しかし、後継ぎ遺贈型受益者連続信託を利用すれば複数の代に渡って財産の継承先を指定できるのです。

後継ぎ遺贈型受益者連続信託とは、受益者(財産を受け取った人)の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めのある信託です。

信託銀行などと信託契約を締結し、信託を受託した信託銀行はあなたの財産を管理します。

そして、まずはあなたが受益者となり、あなたの死後の第二受益者、第二受益者の死後の第三受益者を設定します。

あなたの死後には受益権が第二受益者に移り、実質的に財産が第二受益者に継承されたことになります。

受益者連続信託の概念図

このようにして後継ぎ遺贈型受益者連続信託は何代にもわたって財産の承継者を指定することが可能です。

まだ生まれていない人を指定することもできますので、これから生まれてくる孫などを先の受益者として指定することもできます。

もちろん、受益者は法定相続人でなくても構いません。

子供のいない夫婦で兄弟姉妹以外に財産を渡したい場合、事業を親族でない人に継承したい場合、また福祉団体などに寄付したい場合も有効に活用できます。

 

後継ぎ遺贈型受益者連続信託は実家の相続で有効になる

実家と犬小屋

後継ぎ遺贈型受益者連続信託が有効な場面の一例としては、長男の嫁が実家を相続する場面があげられます。

長男と同居をしていて、長男夫婦に子供がいない場合には、

親 → 長男 → 長男の嫁

という流れで相続がおきます。

この時には相続問題が起こることはあまりありません。

問題は長男の嫁が亡くなったときです。

長男夫婦に子供がいなかった場合は、長男の嫁の親か兄弟が法定相続人となります。

全く違う家の人が実家を相続するとなると長男に兄弟がいた場合は反発します。

自分の生まれ育った家が全く他人のものになってしまうからです。

相続争いになる典型的なパターンですね。

こうした争いを回避するために使われるのが後継ぎ遺贈型受益者連続信託です。

 

将来の相続トラブルを回避する方法

上記のような場合の相続トラブルを回避するために

  • 実家の不動産に信託を設定する
  • 長男→長男の嫁→次男と財産の移転先を信託契約で指定しておく

としておくのは有効な方法です。

遺言書では上記のようなことはできませんが、

後継ぎ遺贈型受益者連続信託を使えば相続対策ができます。

相続トラブルの対策では、争いの種をなるべくつぶしておくことが重要です。

 

後継ぎ遺贈型受益者連続信託の注意点

後継ぎ遺贈型受益者連続信託について考える男性

後継ぎ遺贈型受益者連続信託を利用するときには、次の点に注意しましょう。

 

期間制限がある

後継ぎ遺贈型受益者連続信託は複数の代にわたって財産の承継者を指定することができますが、期間の制限があります。

信託を設定してから30年が経過した後は、受益権の新たな承継は1度までしかできません。

たとえば、第二受益者を子、第三受益者を孫、第四受益者を曾孫としていた場合、あなたは亡くなり信託設定の30年後に子に受益権が移っていたとします。

子の死後は孫が受益者となりますが、孫が死亡したときには信託が終了することになります。

 

相続税の対象となる

後継ぎ遺贈型受益者連続信託の受益権は、相続税の対象となります。

財産が次の受益者に承継されるたびに、相続税がかかります。

第二受益者を妻に、第三受益者を子にしていた場合、相続税を2度納める必要があります。

つまり、信託を利用することによって節税にはなりません。通常の相続の場合と同じように相続税は発生します。

 

遺留分に注意する

後継ぎ遺贈型受益者連続信託の受益権は、遺留分減殺請求の対象となります。

遺留分とは、法定相続人のうち兄弟姉妹以外が最低限受け取ることができる財産のことです。

遺留分については過去記事に詳しく書いてあるので読んでみてください。

遺留分とは?

遺留分とは、相続人に認められる最低限の権利のことです。 被相続人は遺言などで自由に財産を渡すことができますが、十分な財産を受け取れなかった相続人がいた場合の生活は保障しておかないと困ったことになります ...

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信託財産が遺産のほとんどで、信託の受益権が次の受益者以外の法定相続人の遺留分を侵害している場合、遺留分の滅殺請求をされる可能性があります。

受益権が移るたびに、遺留分のことでトラブルになる可能性がありますので、信託の額をどれくらいにするのかはよく検討しましょう。

 

後継ぎ遺贈型受益者連続信託についてのまとめ

後継ぎ遺贈型受益者連続信託を活用することで、代々受け継がれてきた財産が意図しない人に相続されるのを防いだり、事業の継承をスムースに行なえるなどの利点があります。

ポイントは

  • 遺言書でできない財産移転の指定ができる
  • 将来の相続トラブル対策になる
  • 使い方は難しく専門家への相談が必要

という点です。

今まで不可能であった相続対策が可能になるので、うまく活用しながらあなたの財産を承継させましょう。

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司法書士・行政書士 成川修一

司法書士事務所ローライト湘南 代表 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了 研究所研究員、プロギタリストを経て、神奈川県藤沢市で司法書士・行政書士事務所を運営。 相続、不動産、企業法務が専門分野

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