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不動産

相続不動産の売却の流れと失敗しないために知っておくべきこと

 

不動産と計算器とルーペ

相続が発生すると不動産も法律上自動的に相続人のものとなります。

  • 相続税の支払いのために現金を用意する
  • 相続人同士の争いを避けるためお金にして公平に分ける
  • 管理が大変なので現金化してしまう

といった理由で相続した不動産を売却することを検討するケースも多いです。

ただし、相続した不動産を売却するためには通常とは違う手続きの流れになります。

相続不動産の売却を検討中の方は、この記事を読んで相続不動産の売却にはどんな点に注意しなければならないかを知ってほしい思います。

 

相続不動産の売却に必要なこと

不動産を渡す人形と受け取る人形

相続する不動産を売却する流れは以下のようになります。

  1. 相続手続をして相続人へ名義変更をする
  2. 不動産の現状や価格の相場を調べる
  3. 不動産業者と媒介の契約をする
  4. 申込のあった買主と売買契約をする
  5. 代金を受け取って名義変更をする

売却のためには相続による名義変更手続きが必要

相続不動産を亡くなった方の名義のまま売るということができません。
売却するためには、いったん相続人の名義にする必要があります。

相続人名義にするためには、戸籍などの必要書類を集め、遺産分割協議をへて名義変更をします。

不動産を売って、その代金を相続人で分ける場合には、

遺産分割協議書内に

「相続不動産を売却して、その代金から諸費用を除いた金額を分ける旨」

の記載をして代表者の名義へ変更します。

代表者からの売却の場合には、遺産分割協議書の内容をしっかりしておかないと多額の贈与税が発生する場合があるので注意が必要です。

不動産の相続の名義変更は司法書士へ依頼します。

 

不動産について調査する

戸建不動産の模型にむける聴診器

不動産の売却のためには現在の不動産の状態の調査が必要になります。

相続不動産の現況調査

相続した不動産を売却するためには、現況を調査する必要があります。

たとえば隣との土地の境目である境界がどうなっているかなどです。

境界の目安となるフェンスや塀がない土地、境界杭が見つからない土地などは測量の必要がでてきます。

「境界標」がない場合、土地の境があいまいな場合は土地家屋調査士に依頼して調査と図面作成をしてもらいます。

相続不動産の価格の相場調査

不動産を売却の相談を不動産業者にする前に、不動産の価格の相場を自分で調べましょう。

公的な土地の評価額は、一般財団法人資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」に て調べることができます

実際の取引価格については国土交通省の「土地総合情報システム」を活用し見ることができます。

自分で相続不動産のおおよその価値をつかんでおくと
「安く売りすぎてしまった」
「高すぎる売却価格を設定して不動産が売れない」
といった事態を防ぐことができます。

上記のシステムの場合は実際の取引がないと参考価格を知ることができません。

おおよその参考としては固定資産評価額などで物件の価値を推測することもできます。

実際に不動産の固定資産評価を調べる方法については以下の記事を参考にしてください。

相続する不動産の評価額を知る方法

例えば親が亡くなった時に、「不動産を所有していたことは知っているけれど、それがどれくらいの価値なのか分からない」ということもあるかもしれません。 当然ながら、この土地は〇円で買ったから評価額はその値段 ...

続きを見る

 

不動産業者と媒介契約を結ぶ

一戸建ての模型を手に持つ不動産業者

不動産の売却は不動産業者に依頼します。

不動産業者との契約の方式以下の3つがあります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

一般媒介契約とは?

一般媒介契約の特徴は、同時に複数の不動産会社に売却を頼むことができます。
また、自分で見つけてきた買主に売却することも可能です。

メリットとしては、売主の自由度が高いこと、頼んでみてダメな時はすぐに違う業者に頼めることにあります。
デメリットとしては、業者が真剣に動いてくれない、販売状況の報告義務がないことです。

 

専任媒介契約とは?

専任媒介契約は、契約を結ぶと他の不動産会社に売却を頼むことができません。
ただし、自分で見つけてきた買主であれば不動産会社の仲介なしで販売が可能です。

専任媒介契約では、不動産業者の間の物件情報サイトであるレインズへの登録義務がありますので買主が見つかりやすいというメリットがあります。

メリットは、不動産業者も契約期間は他に頼まれる心配がないので真剣に動いてくれます。
デメリットは、気に入らない業者の場合も契約期間内は変更ができない点です。

 

専属専任媒介契約とは?

専属専任媒介契約は、契約を結ぶと他の不動産会社に売却も頼むことができない上に、自分でさがしてきた買主への売却もすることができません。

簡単にいえば信頼した一社にすべて一任するという契約です。

メリットは、不動産業者が一番真剣に動いてくれますし、7日に一回の状況報告義務があります。
デメリットは、契約期間中は不動産業者の変更ができないという点です。

不動産業者に売却を依頼する際にはどの契約形態を選ぶかということも重要になってきます。
早く売却して相続人同士で分けたいのであれば専属専任媒介契約がおすすめです。

 

申込のあった買主と売買契約をする

不動産の模型と権利証

買主から申込があった場合には、条件交渉をして売買契約を締結します。

この際、相続人全員名義にしたのであれば、相続人全員と買主で契約することになります。

名義変更に関しては全員分の本人確認や印鑑証明、書類への実印での押印が必要です。

特に理由がなければ相続人から代表者を選んで手続を進めた方が楽です。

契約の段取りは不動産業者にまかせましょう。

売却代金を受け取った代表者は、それぞれの相続分に応じて支払い相続不動産の売却の完了です。

 

相続不動産の売却で注意すべきポイント

相続税を指摘する人形

相続不動産の売却に関してのポイントは以下の点です。

  • 遺産分割協議書の記述の仕方
  • 相続税、譲渡所得税等の税金関係
  • 代表者を選んでおこなうか、全員でおこなうか

相続不動産の売却には特に税金関係が複雑になります。

売却の仕方や時期によっても大きく税金が変わってくるので、資産税に強い税理士のサポートがあった方がいいですね。

また代表者をたてての売却の場合には、専門家でも遺産分割協議書の記載には神経を使います。

ただ名義変更して売却すればいいという安易な考えで手続きをしてしまうと危険ですので注意してください。

 

まとめ

相続不動産の売却は、一度相続手続を挟んでからの不動産取引となるので通常の不動産取引よりも注意すべき点が多いです。

手続の流れを理解して安全面に配慮しつつ取引を行いましょう。

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司法書士・行政書士 成川修一

司法書士事務所ローライト湘南 代表 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了 研究所研究員、プロギタリストを経て、神奈川県藤沢市で司法書士・行政書士事務所を運営。 相続、不動産、企業法務が専門分野

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