銀行の貸金庫に大事な書類を入れて保管したりしますよね。
ただし、銀行の貸金庫に遺言書を書いて保管するのは絶対におすすめしません。
もし遺言書が入っているなら今すぐ貸金庫を開けて対策を取りましょう。
この記事では、
- 遺言書を貸金庫に入れたときに起きるデメリット
- おすすめの遺言書の管理方法
について書いてありますので、遺言書に限らず貸金庫を使っている方は
ぜひ読んでおいてください。
遺言書を貸金庫にいれるデメリット
遺言書を貸金庫にいれると以下のようなことが起きます。
- 遺言書が発見されない
- 相続人が貸金庫を開けられない
- 取り出すための費用がかかる
遺言書が見つからないのが一番のリスク
まず一番のリスクは遺言書そのものが発見されないことです。
貸金庫は、確かに重要書類の保管に便利ですが、
亡くなった場合、貸金庫を使っていたことが分かりづらいという欠点があります。
預金の解約手続きや通帳の貸金庫の使用料の引き落としの記載から気づくこともありますが
気づかなければ遺言書を書かなかったことと同じことになってしまいます。
相続手続きで貸金庫を開けるのは大変
実際に相続手続きをしてみると分かるのですが、
貸金庫を開ける手続きは予想以上に大変です。
貸金庫を開けるには
- すべての相続人の同意が必要
- 金融機関所定の様式に相続人全員が署名と実印で押印
- 相続人全員の印鑑証明書を持参
金融機関によっては、貸金庫のある店舗に相続人全員が行って開閉の立会が必要になる場合があります。
それができない場合には、公証役場から公証人を呼んで「事実実験公正証書」
というものの作成を求められるケースもあります。
これは遺言書以外でも貸金庫に何か入っているものがあれば当然に求められる手続きです。
相続手続きにおいて貸金庫は非常に不便なものなのです。
相続人の中に遺言書で自分が不利になりそうと感じる人がいれば同意してもらえない可能性もありますし、
金庫開けるためだけに日程をあわせて銀行きてもらうというのもかなりの負担です。
鍵がないと貸金庫の開閉費用も意外と高額
貸金庫の鍵がないと、たとえ銀行にマスターキーがあったとしても開けてもらえません。
鍵の再発行費用を銀行に支払うことになります。
私の経験では、鍵1本作ってもらうだけで8,000円ほど取られたケースがあります。
貸金庫以外の遺言書の保管方法
貸金庫は遺言書の保管には適していません。
おすすめは以下の2つの方法です。
- 公証役場で公正証書遺言を作成し、公証役場で保管してもらう
- 法務局の自筆証書遺言保管制度を利用する
公証役場で費用をかけて遺言をつくると遺言書を公証役場で保管してもらえます。
適切な公正証書遺言を作成しておけば、遺言書の相続手続きが簡単になります。
保管の費用等もかかりません。
もう一つは、法務局の預かり制度を利用することです。
こちらは申請時の手数料3900円以外に遺言書の作成費用も保管費用もかかりません。
自分で作成した遺言書を申請書と一緒に法務局へもっていき保管してもらえます。
まとめ
遺言書の保管方法として貸金庫を利用している場合は、
- 遺言書を発見されないリスクがある
- 相続手続きの際の開閉が大変
- 鍵の管理をしっかりしておかないといけない
という点に注意してください。
できれば、遺言書は公証役場か法務局といった機関で保管してもらうのがいいですね。