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相続トラブル

【相続トラブル】所有者不明の土地について急に役所から連絡が。危うく親族間の争いに!

相続手続きに関連して思わぬトラブルが発生することがあります。

弊所へ寄せられた相続トラブルの体験を専門家のコメントを付けて解説したいと思います。

今回は、いきなり役所から土地について手続きをするよう指摘を受けたケースです。

相続手続きを怠っていた「所有者不明の土地」に関する体験談をご紹介したいと思います。

 

相続時、所有者不明の土地について急に役所から連絡が

 

トラブル体験談

私が体験した相続トラブルは、

相続手続きをしていなかった土地がいきなり相続財産に加わったということです。

役所から自分が知らない土地の相続が出来ていない事を指摘されました。
揉める事が無かったので良かったのですが。

何しろ自分のお爺さんのお爺さんが未だに土地の所有者になったままの状態が続いていた土地でした。
全く知らない土地が相続財産だと発覚した時には、自分の家の土地だったのかという事で驚かされました。

役所は手続きをすればそれでよいという事でしたから、その書類に言われたように記載をして済ませました。
面倒だったのは兄弟にもその承認の書類にサインをしてもらう必要があったことです。

自分には弟がいるのですが、その弟にもその書類を送ってサインをしてもらって、ようやく手続きが完了しました。
別に弟も知らないような土地ですから、特に何か聞かれるような事もなく、自分が相続をするのであれば、それで問題なしという事で
すぐに書類は送ってくれました。

急に役所から指摘をうけた土地については、対した価値もありませんから、家族や親せきでもめるような事は一切ありませんでした。
しかし、土地の価値が高いという事になれば、親族を巻き込んで大変な事になっていたと思います。

びっくりするような価値の所であれば、自分の弟がすんなりとサインをしたかどうかは分からないです、、、

相続手続きにおいて、相続財産をきちんと把握することは大事です。

ただし、体験談を送っていただいた方のように相続手続きがされていないと全く予期していないところから財産がでてくることもあります。

実際に相続手続きがされず所有者が不明になった土地が九州の面積と同じ程度存在しています。

急に知らない土地の相続人になるというのは誰にでも起こりうることです。

 

所有者不明の土地のトラブルのポイント

今回寄せられたケースでは、トラブルが実際には起こっていないので良かったです。

こうした土地がでてきた時に問題になるのが、

  • 誰が土地を管理していくか

という点です。

土地については残念ながら持っているだけで負債化してしまうものがあります。

土地は、所有者が毎年の固定資産税を納め、土地の管理義務を負います。

利用価値の高い土地であれば、売却をしたり賃貸をしたりして回収することができるのですが、買い手のつかない利用価値のない土地については、永遠にお金を払い続けるだけになってしまいます。

相続時には、誰が多く財産をもらうかという問題だけではなく、誰がもらいたくない財産を引き受けるかといった問題があるのです。

 

手続きを放置すれば全員が管理義務者に

遺産分割協議では、誰ももらいたくない土地を放っておいて、財産を分けることも可能です。

しかし、それで問題が解決するかというとそうではありません。

誰も相続しない土地は、相続人全員の土地とみなされます。

今度は相続人全員で管理を行わなくてはならない義務が生じます。

崩落の危険がある崖であれば擁壁の工事をしたりと多額の費用負担が生じることがあります。

その場合に、財産を全くもらっていない相続人でも基本的に費用を負担しなければなりません。

こうした不公平が生じることで親族間のトラブルに発展していくケースもあります。

 

所有者不明の土地は近くに住んでいても分からない

以下、寄せられた体験談の続きです。

トラブル体験談2

不思議なのは、いつからそのような土地が自分の家のものだったのかという点です。
全く聞かされていない話でしたし、自分達が使用している土地でもなかったですから。

昔は、今の様なデジタルデータでの管理というわけではなく書類での管理ですから、人が亡くなったとしても、その人の資産の全てを確実に処理するという事は出来なかったのでしょう。
何しろ急に亡くなるという事の方が多いでしょうし、病気の場合は当人は死の病を得ているわけですから、そうした書類関係の処理は難しいように思います。

その為、今でもこうした誰のものか分からない土地というのは極めて多いのではないかと感じました。

相続は、お金が絡むことになるので、なかなか簡単に出来ない事も多いのですが、書類の管理ぐらいはしっかりとして欲しいという事を役所にはお願いしたいです。
役所には死亡届も提出しているわけですから。

後はデータをデジタルにして、そこから紐づけて行けば問題になっているところはすぐに見つかるはずです。

書類が紙で来たという時点で既に管理が出来ていないという事の証明であった気がします。
これだけデジタル化が進んでいる時代なのですから、こうした相続に関係する所はすぐにでもデジタル化をして、問題が起きないように徹底して管理をする必要があるでしょう。

相続トラブルが多いわけですから、手続きが行われていなかったという事で、揉め事になるというような事は絶対に避けたいところです。
役所は昔からの問題だと考えているのかもしれませんが、今の最新の技術を使用すれば、もっと早くに分かった事だと思います。

役所から言われるまで土地の件について全く気付かなかったそうです。

相続財産調査がいかに難しいかということが分かること思います。

役所にもっと管理して欲しいという希望もあるようですが、実は名義について管理する義務はありません。

あくまで所有者からの申請があったときに対応するというスタンスです。

不動産に関する登記制度の問題点としては、

  • 相続登記は義務ではない
  • 遺産分割や相続登記について期限が定められていない
  • 名義変更にともなう登録免許税が高すぎる(固定資産評価額の0.4%)

といったことがあげられます。

制度の問題で九州ほどの面積が所有者不明の土地となってしまいました。

昨年あたりから法務局主導で所有者不明土地の問題に取り組んでいるようですが、

解決するのは難しい問題です。

 

所有者不明の土地の相続トラブルを防ぐには?

残念ながらすでに所有者不明になった土地については、あまり有効な対策がありません。

多額の費用をかけ、専門家の手を借りて解決していくことになります。

相続手続きにおいて対策できることは

将来的に相続トラブルが起こらないようきちんと不動産の名義変更の手続きをしておく

といったことです。

名義変更を放置するとあとあと大変なことになるので相続登記は早めに済ませておきましょう。

 

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司法書士・行政書士 成川修一

司法書士事務所ローライト湘南 代表 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了 研究所研究員、プロギタリストを経て、神奈川県藤沢市で司法書士・行政書士事務所を運営。 相続、不動産、企業法務が専門分野

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