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エンディングノートで始める終活。何を書けばいいのか?

エンディングノートとペン

エンディングノートとは、終活ノートとも呼ばれ、これまでの自分を振り返るとともに残された人に伝えたいことを書き記すものです。

自分のこれまでの人生の棚卸と整理整頓を行なって、5年後や10年後の目標、自分自身へのメッセージを考えてみるきっかけにもなります。

エンディングノートに決まった書き方はありません。また、遺言書とはちがって法的効力も持ちません。まずは気軽に書いてみましょう。

 

エンディングノートに書く3つの内容

エンディングノートと財産関係の資料

エンディングノートは、書店などでも売っていますし、葬儀社が配布しているものもあります。

色々なものがありますが、以下の3つのことをエンディングノートに書くのがおすすめです。

エンディングノートに書くこと

  1. 人生終盤の目標
  2. 人間関係と財産の棚卸
  3. もしもの時のためのメッセージ

これらをエンディングノートに書くことにより、

  • 今より充実した人生を過ごす
  • 死への漠然とした不安を解消する

といったことにつながります。

 

1.人生終盤の目標を書く

エンディングノートは、あなたの財産をどうするか、残された家族へのメッセージなどを書くイメージがありますが、
今の人生を充実させるためにつかうこともできます。

終活は、あなたが死ぬまで人生をどのように充実させるかという方が大事です。

死ぬことをネガティブにとらえるのでなくて、人生のゴールとしてポジティブな目標を設定して
充実した人生を送ることができれば素晴らしいと思いませんか?

あなたの人生の最後の設計をすることにエンディングノートは使えます。

 

今のわたしは?

すこし立ち止まって、今の自分の状況を思い返してみてください。

  • 健康状態に不安はないか?
  • 家族との関係はうまくいっているか?
  • 仕事は順調か?
  • お金や財産の心配はないか?
  • 趣味などのプライベートは充実しているか?

などを振り返り、それをエンディングノートに書きこみます。

エンディングノートに書くことでより客観的に自分を見つめることができるようになります。

日付も忘れずに書くようにして、その時点での自分がどんな状態であるか分かるようにしてください。

少し時間が経ったら、更新してみるのもおすすめです。

 

これからやりたいことベスト20!

これからやりたいことを順番に20個、書き込んでください。

「イタリア旅行がしたい」「マラソンに挑戦したい」

といった長めの計画が必要なことから、

「絵画教室の体験レッスンを受けてみたい」

「近所にできたレストランに行ってみたい」

といったすぐに実行できそうなことまで、とにかく20個必ず書きましょう。

そして、それぞれをいつまでに達成するか、ということも書いてください。

やりたいことを書く事で人生の目標ができます。

目標に向けて頑張ることが人生の充実につながります。

 

2.人間関係と財産の棚卸

わたしのこと

まずは自分のプロフィールをエンディングノート上に作成します。

以下の内容を書き込みましょう。

・名前(ふりがな)
・生年月日
・住所
・出生地
・本籍

あなたのお気に入りの写真も貼ってみてください。

これらの基本的な情報のほか、いままでの人生で記憶に残る出来事やイベント、

好きな言葉や好きな食べ物、好きな映画など、あなたに関わることをたくさん書きましょう。

 

わたしの家系図

家系図を書いて、自分のルーツとあなたの後を継ぐ人たちをもう一度整理してみましょう。

自分を中心にして、以下の親族を書き足していくとよいでしょう。

あなたの両親
両親の両親(あなたの祖父母)
あなたの兄弟姉妹
あなたの配偶者
配偶者の両親(あなたの義父母)
あなたの子ども
子どもの配偶者
あなたの孫

そしてそれぞれ、続柄、名前、住んでいる場所、生年月日などをわかる範囲で書いておきましょう。

 

家族・親族、友人・知人の連絡先

以下の内容を書いておきましょう。

・名前
・あなたとの関係(特に、友人・知人については残された人にもわかるように、「高校の同級生」「会社でお世話になった」といった情報を記しておくとよいでしょう)
・住所(わかる人の分だけ)
・電話番号
・連絡の要否(入院時、危篤・死亡時、通夜・葬儀、喪中はがき等)

連絡の要否については、あなたに何かあった時に連絡をしたほうがよいかどうか、わかるようにしておきましょう。

そして、上記で挙げた家族・親族、友人・知人に、感謝の言葉を記してください。全員に書くのが大変なときは、感謝を伝えたい人から順に書きます。

 

財産について

どんな財産がどのくらいあるのか、残された人が調べるための情報をエンディングノートへ記載します。

あるものについては全て書いておくことが重要です。借金などのマイナスの財産もきちんと書いておきましょう。

◆不動産

・不動産の種類:「土地」か「建物」
・用途:「自宅」「別荘」「投資用」
・名義:「自分(100%)」「共有(持ち分〇%)」
・抵当権:「あり」「なし」
・住所
・登記簿上の所在地

◆預貯金

・金融機関名
・支店名
・口座種類
・口座番号

◆株式・投資信託、ゴルフ会員権など

・証券会社名や証券口座情報、取扱機関名等
※郵便の通知がないネット証券で取引している場合は特に注意しましょう

◆保険

・保険会社名
・担当者
・電話番号
・証券番号
・保険の種類、商品名
・契約者名
・被保険者名
・保険金受取人

◆ローン

・種類(住宅ローン、自動車ローン、カードローン、知人からの借金など)
・借入先
・連絡先
・借入金額
・借入日
・借入残高(〇年〇月〇日時点)
・完済予定日

財産のほかにも、スマホやパソコンを起動するときのパスワードや、年金手帳などを保管している場所など、伝えておいたほうがいいと思ったことは書いておきましょう。

 

3.もしもの時のためのメッセージ

遺言書の有無

遺言書が有るか無いかは、残された人たちがあなたの遺産を分ける際にとても重要なことです。

遺言書の有無、有る場合はどこにあるのか、を書いておきましょう。

遺言書がある場合、下記の情報を書いてください。

遺言書があるとき書くこと

  • 公正証書遺言か自筆証書遺言のどちらか
  • 保管場所はどこか(公正証書遺言の場合は、どこの公証役場か)
  • 遺言執行者がいる場合、名前と連絡先

遺言書がない場合も、その旨を書いてください。

そうしないと、「もしかして遺言書があるのでは・・・」と残された人たちが探してしまうかもしれません。

なお、エンディングノートに財産の分け方を書いておいても、法的根拠にはなりません。

残された人たちが揉めずに相続するためには「遺言書」を準備する必要があります。

 

葬儀について

どんな葬儀にしたいか、希望を書いておきましょう。

葬儀はお世話になった人たちへの最後の挨拶です。あなたが葬儀について決めておくことが大切です。

◆葬儀社
・生前契約している
・互助会に加入している
・依頼したい業者がある

などの情報を書いておきましょう。葬儀社の名前と連絡先も必ず書きましょう。

◆形式
・一般的な形
・家族葬
・葬儀しない
・家族に任せる など

◆宗教
仏式、神式、キリスト教式、無宗教 など
お寺や教会の指定があるときは連絡先も書いておきましょう。

◆考えている金額
葬儀費用も書いておくと、規模や豪華さ・地味さの目安になります。

◆葬儀費用
預金、保険を使ってほしい、とか、特に準備していない、といったことも書いておきましょう。

 

埋葬について

先祖代々の墓や、生前に購入した墓など、指定の墓がある場合はその情報を書いておきましょう。

以下の情報があるといいでしょう。

    • 墓地名
    • 所在地
    • 契約者名
    • 管理会社
    • 連絡先

また、新たに購入を希望する場合は、どういったスタイルがよいか、その費用は預金や保険を使うのか、といったことも書いておくと残された家族が慌てずに済むでしょう。

スタイルについては、一般的な墓地、永代供養墓、納骨堂、散骨など、希望を書いておきましょう。

 

エンディングノートは遺言ではない

墓の前で手をあわせる女の子

エンディングノートは法的拘束力を持ちません。

遺言書には決められた記載項目があり、その要件を満たさなければ法的根拠とならないのです。

したがって、エンディングノートに残された家族での財産の分け方や、〇〇さんにはお世話になったから家族ではないけど遺産を渡したい、といった内容を書いても効力を持ちません。

別途、きちんと遺言書を作成する必要があります。

しかし、さらにエンディングノートに家族への思いや、家族以外の人への感謝などを書き記しておくことで、残された人たちがあなたの思いを汲みとって、遺言のとおりにスムースに相続が行われる可能性が高くなります。

残された人たちがあなたの財産をめぐって争ったり揉めたりすることがないように、エンディングノートを書いておくことは役立つでしょう。

 

まとめ

手をつなぐ家族

エンディングノートの書き方をご紹介しましたが、遺言書のように決まりはありません。

書きたいところや書けるところから書いてみてください。

あなたの人生の最後を充実したものとするためにきっと役にたつはずです。

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司法書士・行政書士 成川修一

司法書士事務所ローライト湘南 代表 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了 研究所研究員、プロギタリストを経て、神奈川県藤沢市で司法書士・行政書士事務所を運営。 相続、不動産、企業法務が専門分野

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