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認知症対策

家族の認知症に備えて知っておくべき成年後見制度の基礎知識とその利用方法

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判断能力が鈍ってきた老夫婦

成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などの理由で自分一人で判断することが難しい方の財産や権利を守り、生活を支援する制度です。

認知症の方が悪徳商法で必要のない高額な商品を買わされてしまったりすることがないよう、後見人が代理で契約等の締結をしたり財産を管理したりして本人を保護することができます。

 

成年後見制度は法定後見と任意後見がある

財産について相談をする夫婦

成年後見制度には、法定後見制度任意後見制度があります。

法定後見制度は、家庭裁判所が成年後見人を選任し、本人の判断能力に応じて後見、保佐、補助の3つの類型に分類されます。

選ばれる後見人等は、弁護士、社会福祉士、司法書士、行政書士などの専門家の場合が多い(全体約70%)のですが、親族が選ばれることもあります。

また、後見人等には、後見人等が本人に代わって法律行為を行う代理権や、後見人等の同意なしに行った本人の法律行為を取消にする取消権などの法的権限が与えられます。(日用品の買物の取消権はありません。)

任意後見制度は、本人が判断能力が十分にあるうちに、判断能力が衰えた場合に備えて、成年後見人を自分で選びます。

そして、自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公証人の作成する公正証書で結びます。

ただし、任意後見制度は法定後見制度と同じく代理権はありますが、取消権はありません。

法定後見と任意後見制度の違い

成年後見人の役割は、本人の意思を尊重し、生活・医療・介護・福祉などに目を配りながら、本人を支援することです。

ただし、その職務は本人の財産管理や契約などの法律行為に限られており、食事の世話や実際の介護などは一般に成年後見人の職務には含まれません。

 

成年後見制度の利用方法

法定後見制度の利用の流れ

家庭裁判所の看板

①申立の準備

法定後見制度を利用するには、家庭裁判所に申立を行なう必要があります。

申立できるのは、本人、配偶者、四親等内親族などです。また、身寄りがいない方の場合は、市町村長が申立を行なうことが可能です。

申立人は、家庭裁判所で後見開始の審理の申立を行ないます。本人の住所地を管轄する家庭裁判所に行きましょう。

申立の際には提出する書類があるので準備します。必要書類は以下のとおりです。

  • 申立書(裁判所のホームページから申立書の様式をダウンロードできます)
  • 本人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 本人の住民票または戸籍附票
  • 成年後見人候補者の住民票または戸籍附票※1
  • 本人の診断書
  • 本人の成年後見等に関する登記がされていないことの証明書※2
  • 本人の財産に関する資料(不動産登記事項証明書(未登記の場合は固定資産評価証明書),預貯金及び有価証券の残高が分かる書類(通帳写し,残高証明書等)等)

※1 成年後見人候補者が法人の場合には当該法人の商業登記簿謄本

※2 法務局・地方法務局の本局で発行するもの。取得方法や証明申請書の書式等については法務省のホームページにてご確認いただけます。)

申立にかかる費用の目安は以下のとおりです。

  • 申立手数料 収入印紙800円
  • 連絡用切手 3,000円~5,000円
  • 登記費用  収入印紙2,600円

②申立書の提出

申立の準備ができたら、管轄の家庭裁判所に提出します。

多くの裁判所は事前予約制をとっていますので、あらかじめ電話で予約してから行くようにしましょう。

提出する際に、申立人と後見人等候補者との面接が行われます。

③審問・調査・鑑定

家庭裁判所が、提出された書類をもとにどの類型に該当するか、誰が後見人等として適当か、審判に入ります。必要に応じて裁判官による事情の聞き取りもあります。

④審判、後見開始

後見人が選任され、申立人、成年後見人、本人へ郵便で通知されます。

後見人は、申立人が候補として挙げた人が選任されるとは限りませんが、後見人の不服申立はできないことになっています。

申立から後見開始までの期間は、4ヶ月以内が目安です。

 

任意後見制度の利用の流れ

①任意後見人の選定

任意後見人を依頼したい人と話し合い、自分の判断能力が低下したときに、どんな支援を受けたいかを取り決めます。

自分の将来の不安や、どのような生活を送りたいか、また、任意後見人への報酬などについて、十分に話し合いましょう。

②必要書類の準備

任意後見契約を結ぶために必要な書類を準備は以下のとおりです。

  • 本人・・・印鑑登録証明書、戸籍謄本、住民票
  • 任意後見人となる人・・・印鑑登録証明書、住民票

③任意後見契約の締結

本人と任意後見人となる人が公正役場に行って、公正証書を作成し、任意後見契約を締結します。

任意後見契約公正証書を作成するのにかかる費用は以下のとおりです。

  • 公正役場の手数料 11,000円
  • 法務局に収める印紙代 2,600円
  • 法務局への登記嘱託料 1,400円
  • 書留郵便料 約540円
  • 正本謄本の作成手数料 1枚250円×枚数

④後見の開始

契約締結後から、本人の判断能力が実際に低下したら、任意後見制度を利用するために家庭裁判所に対して任意後見監督人の選定を申立します。

この申立をすることができるのは、本人、配偶者、4親等内の親族、任意後見人となる人のいずれかです。多くの場合、任意後見人予定者が申立をします。

家庭裁判所で審理が行われて、本人の判断能力が実際に不十分であると認められたら任意後見監督人が選任され、後見が開始されます。

 

成年後見登記

成年後見人等の権限や任意後見契約の内容などは、東京法務局で登記されます。

成年後見人が本人に代わって財産の売買や介護サービスの契約などを締結するときに、取引相手に対して登記事項の証明書を提示することが求められることがあります。

成年後見登記を取り扱っているのは東京の法務局と各地方法務局の本局となります。最寄りの法務局が支局や出張所と名前についている場合は行っても取得できないので注意しましょう。

郵便での請求も可能です。この場合は東京法務局でしか受付をしていません。

請求方法は、法務局のホームページにてご確認いただけます。

 

成年後見制度のメリットとデメリット

成年後見制度を利用することによるメリットはこれまで紹介してきた通り、以下のとおりです。

  • 成年後見人が判断能力が不十分な方に代わって預金や財産を管理できるため、財産や権利が守られる
  • 法定後見制度であれば、本人が行なった不利益な契約を取り消せる
  • 裁判所が関与するため、親族などによる使い込みなどを防げる

ただし、制度を利用するには以下のようなデメリットもあります。

  • 後見人の選任まで時間がかかる
  • 本人が亡くなるまで成年後見人への報酬を支払い続けなければならない
  • 相続税対策や資産運用など、本人の財産を自由に活用できなくなる
  • 裁判所へ毎年報告書を提出しなければならない

一度、成年後見制度を利用すると、本人の判断能力が回復したと認められる場合でない限り、制度の利用を途中でやめることはできません。

法定後見制度の場合、後見人への報酬は毎月数万円はかかりますので、それを支払い続けなければならなくなります。

任意後見制度の場合は、後見人を家族などにして報酬を安くするかあるいは支払わない契約にすることも可能です。

また、成年後見人制度は、本人の財産や権利を守ることが目的のため、本人の生活に関わりのない財産の移動を行なうことはできません。

そして、後見がしっかりと行なわれていることを裁判所に報告する事務手続きの手間も、本人が亡くなるまで続きます。

 

まとめ

このように、成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度があり、任意後見制度のほうが比較的自由度が高い制度です。

しかし、認知症になってしまったあとでは、成年後見制度を利用するという選択肢しかなくなってしまいます。

元気なうちから、認知症になったときの対策を検討しておきましょう。

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司法書士・行政書士 成川修一

司法書士事務所ローライト湘南 代表 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了 研究所研究員、プロギタリストを経て、神奈川県藤沢市で司法書士・行政書士事務所を運営。 相続、不動産、企業法務が専門分野

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