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相続手続き

他の相続人の連絡先が分からない場合に調べる方法

投稿日:2019年1月31日 更新日:

相続人の連絡先が分からず困っている男性

親族が亡くなって、遺言書が残されていない場合、基本的には相続人全員が話し合う遺産分割協議を行なう必要があります。

遺産分割協議には必ず相続人全員が参加して合意しなければ効果がなく、相続の手続きを進めることができません。

しかし、相続人のなかには疎遠な人もいますよね。そのような人にも連絡を取る必要があります。

住所も電話番号もわからない相続人がいた場合に、どうやって連絡を取ればいいのかを解説します。

 

相続人の連絡先が分からないときは戸籍をたどって附票を取る

戸籍謄本

まずは、その相続人がどこに住んでいるのか調べる必要があります。

 

1.連絡先の分からない人の戸籍謄本を取得して現在の本籍地を調べる

まずは亡くなった親族の戸籍謄本を出生から死亡まで集めましょう。

連絡のつかない相続人がいるとしても、相続人であるならば必ず戸籍上のつながりがあります。

婚姻などによって、その戸籍から抜けたとしても、戸籍謄本には転籍先が記載されています。

この転籍先に戸籍、除籍、改正原戸籍を請求し、転籍がなくなるまで戸籍謄本を辿ります。

「親や子供でもない人の戸籍なんて取れるの?」

と思いますよね。

これに関しては戸籍法という法律に第三者が戸籍を取れる規定がさだめられています。

 

第三者が戸籍を取れる場合

  • 自己が法定相続人である遺産相続など権利行使を目的として戸籍を収集する場合
  • 国または地方公共団体の機関に提出する必要がある場合

上記の場合であれば配偶者や親子関係以外でも戸籍の取得ができます。

戸籍関係の書類を提示したり、郵送請求の際にコピーを添付すれば疎遠な相続人の戸籍も取得できます。

注意ポイント

市区町村役場の窓口では、上記の場合でも第三者の戸籍の取得の際に委任状の提出を求められるケースがあります。

法令では委任状の提出は求められていません。

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍や自分の戸籍を提示して、「戸籍法10条の2第1項」に基づく請求である旨を伝えてみましょう。

過去委任状を求める運用の市区町村役場に対し、苦情をもとに是正のあっせんを行われたケースもあります。

転籍に関する記載がない戸籍謄本が現在の本籍地となります。

ただし、

本籍地が現住所とは限りません。

引っ越しをしても戸籍を変更しないことも多く、必ずしも本籍地は現住所と一致しません。

 

2.戸籍の附票を取得する

連絡の取れない相続人の本籍地が分かったら、「戸籍の附票」を取り寄せます。

「戸籍の附票」は、戸籍と一緒に本籍地の役所で保管されている書類で、その人がその戸籍に入ってから現在までの住所の履歴が記載されています。

「戸籍の附票」を取得すれば、現住所が分かります。

手紙などによって相続が発生したことを知らせましょう。

 

3.電話番号を「104」で調べてみる

現住所と氏名が分かれば郵便が出せますが、意外と電話番号が判明することがあります。

意外に思う方もいるかもしれませんが、電話帳に掲載していれば住所と苗字だけでも104の電話番号検索で電話番号を教えてもらえます。

電話番号が分かればスムーズに連絡を取ることができます。

 

相続人と連絡がつかず行方不明のとき

相続人の行方が分からず困っている人形

住所はわかっても相続人と連絡が取れず行方不明では、相続の手続きを進めることができず困ってしまいます。

その場合は以下の方法を検討することになります。

 

不在者財産管理人の選任申立

相続の手続きを進めるには、相続人全員で遺産分割の話し合いをする必要があります。

相続放棄には相続発生から3か月、相続税の申告と納付は10か月以内と決められており、あまり悠長にしていられません。

このように相続人の誰かと連絡がつかず手続きを進めることができない場合に、不在者財産管理人の選任を申し立てることが可能です。

不在者財産管理人が選任されると、家庭裁判所の許可を得て、行方不明の相続人に代わって遺産分割の話し合いに参加してもらうことができます。

不在者財産管理人の選任には、不在者の住所を管轄する家庭裁判所に申し立てを行います。

なお、不在者財産管理人に選任される人物は、一般的に利害関係のない第三者が選任されます。

したがって、相続人の誰かが不在者財産管理人になることはできません。相続人でない親族や不在者の親族が不在者財産管理人になることは可能です。

候補となる人がいない場合は、裁判所が弁護士や司法書士などの専門家を選任することもできます。ただ、この場合には不在者財産管理人への報酬が発生します。

そして不在者財産管理人の職務は下記のいずれかに該当した場合に終了となります。

  • 不在者が現れる
  • 不在者の死亡が判明する
  • 不在者の失踪宣言がされる

 

失踪宣告の申立

相続が発生するより前から長期にわたって行方不明で、生存の可能性も低い場合には、失踪宣告の申立をすることができます。

失踪には以下の2通りがあります。

・普通失踪:行方不明になってから生死が7年間明らかでないとき

・危難失踪:戦争,船舶の沈没,震災などの死亡の原因となる危難に遭遇しその危難が去った後その生死が1年間明らかでないとき

失踪宣告がされると、その人は死亡したものとみなされますので、相続人が次の順位へ移ります。

これによって、遺産分割の話し合いを進めることができます。

失踪宣告された人は死亡したことになるということは、同時にその人自身の相続も発生します。

複数の相続が同時に発生するので、手続きが複雑になる可能性があるでしょう。

また、失踪宣告の手続きには時間がかかります。1年ほど要するので、相続放棄や相続税の申告の期限までに間に合いません。

したがって、実際に相続を進めるためには、まず不在者財産管理人の申立を行なうほうがよいでしょう。

もし失踪宣告された人が現れた場合には失踪宣告は取り消されます。

このときに、すでに手続きが済んだ遺産分割については取り消されることはありません。

生きていることが分かった時にはすでに財産を処分してしまっていることもあるでしょう。

もし遺産に残りがあれば、その限度で返還すればよいことになっています。

 

まとめ

一口に親族といっても、普段からやり取りしている人もいれば会ったこともない人もいるでしょう。

残された人が困らないように、自分の相続人が誰になるのか、またその人たちの連絡先は確認しておき、メモを残しておくようにしたいですね。

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司法書士・行政書士 成川修一

司法書士事務所ローライト湘南 代表 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了 研究所研究員、プロギタリストを経て、神奈川県藤沢市で司法書士・行政書士事務所を運営。 相続、不動産、企業法務が専門分野

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