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相続発生時の年金の手続きを徹底解説!申請しないともらえないものに要注意。

相続が発生時の年金の手続きについてまとめました。

相続が発生すると、年金について様々な手続きをしなくてはなりません。

年金の手続きについては、制度が色々あり混乱しがちなのでこの記事を読んでどの手続きが必要なのかを知ってください。

相続時の年金は申請しないともらえないものも多いのです。

手続きをしないでもらい忘れることのないようにしてください。

 

年金の受給者が亡くなった【国民年金・厚生年金】

すでに年金の受給を開始している方が亡くなると、年金を受ける権利がなくなります。

死亡届をできるだけ早く年金事務所に提出する必要があります。

  • 亡くなった方の年金証書
  • 死亡の事実を明らかにできる書類(戸籍抄本、市区町村長に提出した死亡診断書(死体検案書等)のコピーまたは死亡届の記載事項証明書)

を持参しましょう。

また、以下の未支給年金がある場合は、その方と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。

①年金を受けている方が亡くなったときにまだ受け取っていない年金

年金は2か月分を翌月15日に振り込まれるため、3月10日に亡くなった場合は3月15日に振り込まれる1月・2月分は未支給年金として受け取れます。

②亡くなった日より後に振込みされた年金のうち、亡くなった月分までの年金

3月10日に亡くなった場合、3月分は5月15日に振り込まれます。この分も未支給年金として受け取れます。

ただし、受け取ることができるのは、年金を受けていた方が亡くなった当時、生計を同じくしていた下記に該当する方です。受け取れる順番も決まっていて下記のとおりです。

(1)配偶者 (2)子 (3)父母 (4)孫 (5)祖父母 (6)兄弟姉妹 (7)その他(1)~(6)以外の3親等内の親族

 

年金加入者が亡くなった【国民年金】

国民年金の加入者で、まだ年金の受給を開始していない方が亡くなった場合に支払われるものとしては、

  • 遺族基礎年金
  • 寡婦年金
  • 死亡一時金

があります。

それぞれ支払われる条件などがありますので、以下を参考にしてください。

なお、申請の手続きについては年金事務所ではなく市町村役場になります。

 

遺族基礎年金

遺族基礎年金の受給要件は以下のとおりです。

  • 死亡者が、被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上あること
  • 死亡者の保険料納付済の期間(保険料免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上あること
  • 死亡者の配偶者で子があること、または死亡者の子(子は18歳の年度末まで。※障害年金の障害等級1級または2級の場合は20歳)
  • 死亡者と同居していて年収が850万円未満

支払われる金額(年間)は以下のとおりです。

  • 779,300円+子の加算
  • 子の加算・・・第1子・第2子 各224,300円
    第3子以降 各74,800円

 

寡婦年金

寡婦年金の受給要件は以下のとおりです。

  • 死亡した夫が第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が10年以上ある
  • 婚姻関係が10年以上継続していた
  • 死亡した夫が老齢基礎年金・障害基礎年金を受給していない
  • 妻が老齢基礎年金の繰上支給を受けていない

支払われる金額は、夫の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額の4分の3です。妻が60歳になったときから65歳まで支給されます。

 

死亡一時金

死亡一時金の受給要件は以下のとおりです。

  • 死亡者の配偶者・子・父母・兄弟姉妹・祖父母・孫(生計を共にしている)
  • 死亡者が国民年金を3年以上を納付している
  • 死亡者が老齢基礎年金・障害基礎年金を受給していない
  • 死亡者と生計を同じにくしていた遺族(1・配偶者、2・子、3・父母、4・孫、5・祖父母、6・兄弟姉妹の中で優先順位の高い方)
  • 遺族が遺族基礎年金の支給を受けるときは支給されない
  • 寡婦年金を受給する場合はどちらか一方のみ支給される

支払われる金額は、死亡者の国民年金納付期間に応じて、12万円~32万円の間で決定されます。

 

年金加入者が亡くなった【厚生年金】

厚生年金の加入者が亡くなった場合に支給されるものとして遺族厚生年金があります。

遺族厚生年金の支給要件は、下記のいずれかに該当した場合です。

  • 死亡者が在職中、または在職中に初診日のある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡した場合
  • 障害等級1級または2級に該当する障害厚生年金の受給者が死亡した場合
  • 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある人が死亡した場合

支給される対象となるのは、下記のいずれかに該当する場合です。

  • 死亡者の妻(30歳未満の子のない妻は、5年間の有期給付)
  • 死亡者の子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)
  • 55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる。)

※子のある配偶者、子(子とは18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の障害者に限ります)は、遺族基礎年金も併せて受けられる。

 

相続税の対象となる年金

ここまでに出てきた年金や一時金は遺族を救済するための性質上、相続時の課税対象にはなりません。

しかし、以下のような年金がある場合には相続税の課税対象となりますので注意が必要です。

年金が相続税の課税対象になる場合

①在職中に死亡し、死亡退職となったため、会社の規約等に基づき、会社が運営を委託していた機関から遺族の方などに退職金として支払われることになった年金

死亡者に支給されるべきであった退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与(現物で支給されたものも含む。)を受け取る場合で、死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続財産とみなされて相続税の課税対象となります。

②死亡者が加入していた個人年金の年金受給権

 

 

まとめ

手続きが遅れていつまでも亡くなった方の口座に年金が振り込まれ続けると、返金の手続きなどでさらに煩雑になりますので、早めに年金事務所や市町村役場に行くようにしましょう。

また、相続税の対象となる年金については、遺産を整理する際に漏れなく財産として含めるようにしましょう。

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