1990年の商法改正により1人で会社を作ることが可能になりました。
現在かなりの数の社員が一人だけ会社があります。
では、この一人会社の社長が死ぬと会社はどうなってしまうのでしょうか?
そこには相続にからんで家族にふりかかる恐ろしい負担がまっています。
一人で会社をしている社長はぜひこの記事を読んで、今すぐ対策をしておいてほしいと思います。
一人会社の社長が死ぬとどうなるか?
一人会社の社長が死ぬとどうなるかは会社形態によって全く手続きが変わります。
一人で経営している社長の会社はほとんど株式会社か合同会社のうちのどちらかです。
2つ会社を簡単にいうと
株式会社 ・・・ 株式を発行してお金を集めてつくる会社
合同会社 ・・・ お金を出した人が経営者となる会社
です。
株式会社の社長が死んだ場合
株式会社の社長が死んだ場合は、会社はなくならず株式の相続が起こります。
つまり、会社は社長がいなくなっても存続し続けることになります。
基本的には相続人が会社の株式を引き継ぎ、会社を続けるか、たたんでしまうかを決めることになります。
相続人である家族が会社の後処理をしなくてはならなくなるということです。
相続人がいない場合は、利害関係を有する人の申立てで裁判所が職務代行者を選任してその後の処理を
行うなどの処理をおこないます。
合同会社の社長が死んだ場合
合同会社の場合は、原則解散になります。
つまり、一人会社は自動的になくなってしまいます。
これを防ぐためには会社のルールである定款に相続人が社員となる旨の定めを入れる必要があります。
法務局のHPで定款例をみて自分で会社を作った社長などは軒並みこの規定が入っていません。
いきなり会社がなくなるので混乱します。家族としても対応に追われることになります。
1人会社の社長が死んだときに家族がしなければならないこと
社長が死ぬと以下のようことをしなければなりません。
- 顧客・仕入れ先・外注先・取引銀行への連絡
- 仕入れ先への入金
- 家賃の支払い
- 金融機関への返済
こうした時に困るのは、家族が経営に全くタッチしていないケースです。
顧客や仕入れ先などが分かりません。
またネット銀行を使っていた場合、パスワードが分からず会社のお金を使えないなんて事例もあります。
そんななか家族は必至に残された業務を処理していかなければならなくなるのです。
1人会社の社長が万が一に備えておくべき対策
人は自分がいつ死ぬか分からないのですから、最低限自分の家族に迷惑をかけないためにも対策を立てておきましょう。
対策としては、
- 会社に関する情報を家族に伝えておく
- エンディングノートを書いておく
- 専門家と死後事務委任契約を結んでおく
などがあります。
最低限必要なのは、家族に自分の死後連絡を取るべき場所を伝えておきましょう。
また会社の経営状況も伝えておいた方がいいです。
経営状態の悪い会社の場合、相続することで家族が借金を背負ってしまうケースがあります。
親の会社を継いだために破産をすることになった方も実際にいます。
専門家の死後事務委任契約も検討に
経営にノータッチであった家族に会社の後処理を任せるのはなかなか辛いものがあります。
そうした時は弁護士や司法書士といった専門家に依頼するのも一つの方法です。
専門家とあらかじめ契約を結んでおけば、自分に万が一があったときにも、
家族に代わって、取引先に連絡したり、仕入れ先へ支払いをしたり、会社の解散・清算の手続きを
してもらうことができます。
自分がやっていた事業で家族に迷惑をかけないためにも検討してみてください。
一人会社の社長は自分の死についても考えてください
一人で経営するのは誰にも拘束されず自由にできるのがいい面ですが、この記事で書いたようなリスクもあります。
残された家族が迷惑をしないためにも、きちんと対策をたてておきましょう。